モデルにする人を糧に選んだアーティストたち。平安女流文学に寄り添う
恋文になる和歌や漢詩はだれかのものを引用していることが多いけれど、辞世の句だけはご本人のもの。
「血早ぶる」の歌を「いとしき人」と開いた場面がすきです。
定子さんが一条天皇にむけた辞世の句はなんて美しいんだろうってこちらが射抜かれた。
「妻になってくれ。北の方は無理だ」を言われたらあなたならどうする?
まひろさんは怒って突き飛ばす。
わたしならどうするかなあって考えたことあったけれど答えは出なくて。
自分の性格ならなんでもよろこんでついて行ったかもしれない
『蜻蛉日記』は「恋したう男性には北の方がいた」という痛みを書いたものがたりか、「身分の高く立派な男性に選ばれ愛されました」と自慢したものがたりか、という議論は『光る君へ』でも若い姫様がたがきゃあきゃあ言いながらしているのだけれど、実際どう思います?って誰かと話せる日が来るなんて。
平安時代の文才のある女性たちは、いい仲になれそうだった男性(もしくは男性たち)を書物にした。
作品にされて動じるような男はこっちから願い下げ!みたいなすんとした強さがあるような気がして、かっこいいなあと思います。
たしかにちょっとおもしろそうというか「えっこれ自分の話?いやでも…あれ?」みたいに考えている本人と話をしてみたい気持ちはわかる。
今日お会いしたどなたかがなんとか日記っていう漢字4文字の本を出したとしたらたぶんそれです。
いいことも悪いこともぜんぶ書いてやればいいし、殴られたり放っておかれたり受け止めてもらえなかった思い出ばかりを綴ってやればいいし、なんなら相手の男性がとっても大物になったときにばーんと刷りまくってやってください。
だれかの作品になるって、きっとすばらしいことのはずだから。
縁の証だと思うから
でもほんとうにその人からの愛でぽかぽかに満たされていたとしたら、自慢の記なんて書かないと思うんです。
蜻蛉日記とはもっと別の作品や文学が生まれてくると思うんだ。
みなさんにそんな未来がありませんように。
夜もすがら交わしきことはを忘れずは 恋ひむ涙の色ぞゆかしき
この日記を書いていたときの読んだ本たち
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書いている人のこと
こんにちは。り📚書評家です。
いかがお過ごしですか?
いつまで光る君への話をしているんだ、と自分でも呆れてしまいそうですが、好きなものは好きとして、記録に残す女でいたいなと思うのでした。
日記を書いたり、こうしてウェブで文章を執筆したり。
現代ではあまりにささやかな行いですが、けれどもきっと、とても尊いことであると。
わたしはそう、信じています。
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以上、り📚書評家でした~!
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