芥川賞・直木賞で忘れられない名作たち|候補作から受賞作まで。今年も文学の季節がやってきました。
こんにちは。
今年も芥川賞・直木賞の発表。なんと小砂川チトさんの『ゾンビ回収婦』に決まったらいいな、と思って、その日のお昼に書評を出したばかりでした!
小砂川チトさん、講談社さん、『ゾンビ回収婦』おめでとうございます!!
毎年この時期になると、「今年は誰が受賞するんだろう」と予想する楽しさがあります。
けれど私にとって文学賞の面白さは、受賞作だけではありません。
受賞を逃した作品の中にも、何年経っても忘れられない1冊があります。
今回は、ここ3年ほどの芥川賞・直木賞候補作や、いま注目している作家さんたちの作品の中から、特に印象に残った書評をまとめました。
文学好きの方も、「芥川賞って難しそう」と思っている方も、次の1冊選びの参考になれば嬉しいです。
「いい子」をやめてもいいのかもしれない。
高瀬隼子『いい子のあくび』
歩きスマホをする人を避け続ける人生。
真面目に、ルールを守って生きてきた主人公が、ある日「なぜ私ばかり譲るのだろう」と考え始めます。
誰かを傷つけたいわけではない。
でも、この社会のポイント配分は本当に公平なのか。
高瀬隼子さんらしい、静かな怒りと違和感が心に残る作品です。
誰かのためなら、世界中を敵に回せる。
坂崎かおる『海岸通り』
海辺の小さな町で働く主人公と、言葉の通じない異国の女性。
合理性や常識では説明できない感情が、人を動かす瞬間があります。
「相手のために怒る」という行為の美しさを、ここまで丁寧に描いた作品は多くありません。
今年の候補作の中でも、とても印象的な1冊でした。
文学は、少し難しいくらいがおもしろい。
小砂川チト『猿の戴冠式』
夢なのか、記憶なのか。
人間とボノボ、二つの時間軸が絡み合いながら、少しずつ真実へ近づいていく物語です。
読む人を選ぶ作品かもしれません。
だからこそ、文学を読む醍醐味を感じられる1冊でした。
孤独は、言葉にならない。
三木三奈『アイスネルワイゼン』
存在しない恋人の話をする女性。
人付き合いが苦手な理由は、人それぞれ違います。
孤独というものを、派手な出来事ではなく日常の小さな違和感から描き出す作品でした。
「普通」の外側にいる人を書き続ける作家。
凪良ゆう『ニューワールド 凪良ゆうの世界』
作品が好きだから読むガイドブックではなく、
ガイドブックを読むと、もっと作品が好きになる。
社会から透明にされてしまう人たちへ向ける視線のあたたかさ。
直木賞候補・凪良ゆうさんの作品が、なぜ多くの人の心を動かすのかが詰まった1冊です。
愛することは、手を離すことでもある。
凪良ゆう『星を編む』
『汝、星のごとく』で描かれなかった時間。
誰かを守りたい。
でも、自分では幸せにできない。
そんな切実な愛情が静かに積み重なっていく物語でした。
美術館のヴィーナスと夜だけ話す仕事。
八木詠美『休館日の彼女たち』
「ラテン語で話し相手をするアルバイト」。
設定だけ聞くと不思議なのに、読み終える頃には現実よりも現実らしく感じます。
傷ついた人同士が、静かに寄り添う物語でした。
『アンチ・グッドモーニング』で芥川賞候補になった著者・八木詠美さんの小説です。
名前をつけられない関係がある。
一穂ミチ『光のとこにいてね』
友情でも恋愛でもない。
二人の少女が四半世紀かけて育んだ「光」の物語です。
読後、誰か一人の顔が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
文学賞は、順位を決めるためだけのものではありません。
「こんな作家がいる。」
「こんな文章がある。」
それを読者へ届けてくれる、大切な入り口なのだと思います。
今年も候補作を追いかけながら、新しい作家との出会いを楽しみにしています。
これからも、このニュースレターでは芥川賞・直木賞の候補作をはじめ、いま注目されている作家さんや、「受賞は逃したけれど忘れられない名作」も積極的に紹介していきます。
今年の文学賞シーズンも、一緒に楽しみましょう。
この日記を書いていたときの読んだ本たち
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書いている人のこと
こんにちは。り📚書評家です。
いかがお過ごしですか?
朝からとっても楽しい1日でしたね。
昨日がんばって書評を入稿して良かったな、と思いました。
まだの方、ぜひ、絶対読んでみて。
・・・・
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以上、り📚書評家でした~!
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