本を読む人は、営業も上手だ『文脈営業』
少し前まで、営業という仕事は「どれだけ上手に話せるか」が大切だと言われてきました。
商品の特徴を覚え、メリットを伝え、相手を説得する。
けれど、モノも情報もあふれている今の時代、本当に求められているのは別の力なのかもしれません。
なぜなら、私たちはすでにたくさんの情報を持っているからです。
価格比較もレビューも、専門家の意見も、検索すればすぐに見つかります。
そんな時代に残るのは、「説明する力」ではなく、「読む力」。
相手が言葉にしていない気持ちを想像する力です。
たとえば、お客さまが「少し考えます」と言ったとき。
その裏には、
「失敗したくない」
「上司に説明できるだろうか」
「今決めて後悔しないだろうか」
そんな感情が隠れていることがあります。
営業とは、商品を売ることではなく、相手の心の中にある地図を読むこと。
本を読むことと、少し似ているのかもしれません。
行間を読み、沈黙を読み、言葉にならない感情を読み取っていく。
そうして初めて、その人に届く言葉が見えてきます。
同じものでも、人によって価値は変わる
たとえば、一つのマグカップがあるとします。
ある人にとっては、
「長時間温かいコーヒーが飲める道具」。
また別の人にとっては、
「お気に入りの空間をつくるインテリア」。
さらに別の人にとっては、
「会話のきっかけになる持ち物」。
同じものなのに、見ている世界はまったく違う。
だから、「正しい説明」を探すよりも、
「この人は何を大切にしているのだろう」
と考えるほうが、ずっと重要になります。
これは営業だけの話ではありません。
文章を書くときも、本を紹介するときも、人間関係も同じです。
相手が見ている景色を想像する。
その上で言葉を選ぶ。
伝えるとは、結局その繰り返しなのだと思います。
人はスペックではなく、未来を買っている
興味深かったのは、本書の中で繰り返し語られていた「未来を描く」という考え方です。
人は商品を買うのではなく、その先にある未来を買っています。
保温カップを買う人は、カップを欲しいのではありません。
温かい時間を求めているのです。
学習サービスを申し込む人は、教材が欲しいわけではありません。
「変わった自分」を手に入れたいのです。
私たちはつい、知っていることを全部伝えたくなります。
でも、本当に必要なのは、情報を増やすことではなく、
「その人の未来と、今ここを一本の線でつなぐこと」。
これは読書感想文を書くときにも似ています。
本の内容を要約するだけではなく、
「この物語は、自分の人生とどうつながるのか」
を考えた瞬間に、文章はぐっと深くなります。
「そうですよね」と受け止める力
本書の中で、特に印象に残ったのは、
まず否定せずに受け止める、という考え方でした。
「いりません」
「興味ありません」
「今はいいです」
そう言われると、多くの人は反論したくなります。
けれど、
「そうですよね」
と、一度受け止める。
それだけで、人は安心します。
人は、自分の意見を否定されない場所でこそ、本音を話せるからです。
考えてみれば、本もそうです。
好きな本を否定されると、少し悲しい。
でも、
ここから先は、セールスや営業を「押し売りの技術」ではなく、「相手の人生の文脈を読む技術」として考えたい方へ。
ある人にはスペックが響き、ある人には物語が届く。
同じ言葉でも、相手によって意味はまったく変わります。
わたし自身、本や発信、そして人との対話を通して、「伝えること」とは結局、相手の地図を読むことなのだと感じるようになりました。
ここから先では、本書から学んだ「共感される伝え方」の技術を、読書家の視点でゆっくり整理していきます。
「そう感じたんですね」
と言ってもらえると、その先の話をしたくなります。
共感とは、同意することではなく、
「あなたの感じ方を尊重しています」
という姿勢なのだと思います。
沈黙を待てる人は強い
そして最後に、とても好きだった話があります。
クロージングで大切なのは、「話すこと」ではなく、「待つこと」。
沈黙が怖くて、つい言葉を足してしまう。
これは営業だけでなく、日常会話でも、SNSでも、文章でも起きることです。
けれど、人が何かを決めるときには、考える時間が必要です。
本を読んでいてもそうです。
すぐに感想は出てきません。
数日後、ふとした瞬間に、
「あの物語は、こういうことだったのかもしれない」
と思うことがあります。
考える時間は、答えが生まれている時間。
その沈黙を信じて待てる人は、きっと強いのだと思います。
営業の本を読んでいるはずなのに、読み終えたあとに感じたのは、人と人が関わることの根本について考える時間でした。
売ること。
伝えること。
共感すること。
待つこと。
そのすべては、「相手の世界を想像すること」から始まる。
もしこれから先、AIがさらに発達し、説明や情報提供の価値が小さくなっていったとしても。
相手の沈黙を読み、言葉にならない願いを想像し、その人の未来を一緒に描ける人の価値は、きっとなくならないのだろうと思います。
この日記を書いていたときの読んだ本たち
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書いている人のこと
こんにちは。り📚書評家です。
いかがお過ごしですか?
書評のお仕事で拝読しました。
そして、本好きさんが集まるわたしのニュースレターでもぜひ紹介したい!とおもい、このレターを執筆しています。
お仕事と営業力は結構直結。
そのなかで、相手の物語を読む意識、大切にしたいですね。
・・・・
Instagramとtwitter、Lemon8もやっています。
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以上、り📚書評家でした~!
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