いじめ、自殺未遂、殺人。記者として世界を訴えたかった『月とアマリリス』
正義感の強い人ほど、もろい。
そんなことを考えさせられた1冊でした。
主人公は新聞記者。
彼女には、どうしても許せないことがありました。
社会に伝えなければならないと信じる出来事がありました。
だからこそ、いじめをきっかけに起きた事件の取材へと向かいます。
加害者は誰だったのか。
なぜ女子生徒のヌード写真はSNSに流出したのか。
一人ひとりに丁寧に話を聞き、事実を積み重ね、記事として世の中へ送り出していきます。
けれど、その先に待っていたのは賞賛ではありませんでした。
取材を続ける中で、彼女自身の心と身体が少しずつ壊れていくのです。
記者として働き続けることができなくなり、東京を離れ、北九州の実家へ戻ることになります。
それでも彼女は、書くことをやめませんでした。
形は変わっても、物書きとしてもう一度立ち上がろうとします。
私はこの物語を読んでいて、正義感のある人ほど傷つきやすい理由を考えていました。
世の中には、「鈍感だから続けられる仕事」もあります。
けれど、人の痛みに敏感だからこそ向いている仕事もあります。
記者。
作家。
芸術家。
カウンセラー。
そして、ときにはダンサーも。
誰かの感情を受け取り、それを言葉や作品に変えて届ける仕事は、自分の心を削ることと紙一重なのだと思います。
だから私は、繊細であることを弱さだとは思いません。
むしろ、それは社会に必要な才能です。
ただ、その才能だけでは長く生き残れない。
だから休むことも必要だし、距離を置くことも必要になる。
主人公が北九州へ戻ったことは、逃げたことではありませんでした。
壊れた自分を認め、それでももう一度書くための選択だったのだと思います。
底光りするような深い青のアマリリス。
闇の中で静かに花開くその姿は、息をのむほど美しい。
私はその花が、主人公自身のように思えました。
強い光ではない。
誰よりも目立つわけでもない。
それでも暗闇の中で確かに咲いている。
そんな人が、この世界には必要なのだと思います。
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書いている人のこと
こんにちは。り📚書評家です。
いかがお過ごしですか?
ぐさっとやられる小説を一気読みしました。
わたしはたった今、人生に悩んでいる真っ最中。
そんななかでポンコツな家族に30万円貸して(あげて?)しまった。
なんでこんなことしたんだろう
泣かせておけばよかったのに
自分が半年後の心配で泣くことになるなんて
そんな気持ちのわたしによく刺さった小説でした。
・・・・
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以上、り📚書評家でした~!
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