いじめ、自殺未遂、殺人。記者として世界を訴えたかった『月とアマリリス』

わたしだって泣きたいよ。いい子だって羨ましがらないでほしい読書記録
り📚書店員 2026.09.14
誰でも

正義感の強い人ほど、もろい。

そんなことを考えさせられた1冊でした。

主人公は新聞記者。

彼女には、どうしても許せないことがありました。

社会に伝えなければならないと信じる出来事がありました。

だからこそ、いじめをきっかけに起きた事件の取材へと向かいます。

加害者は誰だったのか。

なぜ女子生徒のヌード写真はSNSに流出したのか。

一人ひとりに丁寧に話を聞き、事実を積み重ね、記事として世の中へ送り出していきます。

けれど、その先に待っていたのは賞賛ではありませんでした。

取材を続ける中で、彼女自身の心と身体が少しずつ壊れていくのです。

記者として働き続けることができなくなり、東京を離れ、北九州の実家へ戻ることになります。

それでも彼女は、書くことをやめませんでした。

形は変わっても、物書きとしてもう一度立ち上がろうとします。

私はこの物語を読んでいて、正義感のある人ほど傷つきやすい理由を考えていました。

世の中には、「鈍感だから続けられる仕事」もあります。

けれど、人の痛みに敏感だからこそ向いている仕事もあります。

記者。

作家。

芸術家。

カウンセラー。

そして、ときにはダンサーも。

誰かの感情を受け取り、それを言葉や作品に変えて届ける仕事は、自分の心を削ることと紙一重なのだと思います。

だから私は、繊細であることを弱さだとは思いません。

むしろ、それは社会に必要な才能です。

ただ、その才能だけでは長く生き残れない。

だから休むことも必要だし、距離を置くことも必要になる。

主人公が北九州へ戻ったことは、逃げたことではありませんでした。

壊れた自分を認め、それでももう一度書くための選択だったのだと思います。

底光りするような深い青のアマリリス。

闇の中で静かに花開くその姿は、息をのむほど美しい。

私はその花が、主人公自身のように思えました。

強い光ではない。

誰よりも目立つわけでもない。

それでも暗闇の中で確かに咲いている。

そんな人が、この世界には必要なのだと思います。

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書いている人のこと

こんにちは。り📚書評家です。

いかがお過ごしですか?

ぐさっとやられる小説を一気読みしました。

わたしはたった今、人生に悩んでいる真っ最中。

そんななかでポンコツな家族に30万円貸して(あげて?)しまった。

なんでこんなことしたんだろう

泣かせておけばよかったのに

自分が半年後の心配で泣くことになるなんて

そんな気持ちのわたしによく刺さった小説でした。

・・・・

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以上、り📚書評家でした~!

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